小児科 小児アレルギー
食物アレルギー
体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体から身体を守る免疫が過剰に働いてしまい、本来であれば害のないものにも過敏に反応してしまうアレルギーの中でも、特定の食物によって症状を起こすのが食物アレルギーです。
食物は栄養源として生存に欠かせないものですから異物として認識しないようになっていますが、特定の食物を異物として認識してしまうことがあります。
免疫反応の調整機能の問題で起こることもありますが、消化・吸収の機能が未熟な場合にも発症するため、食物アレルギーは幼い子どもの発症が多くなっています。
食べたものは腸から吸収されて血流によって全身に運ばれますので、アレルギー症状を起こすアレルゲンもさまざまな場所に運ばれで症状を起こします。
また、食物アレルギーがある場合、その食物を食べたとき以外でも、触れる・吸い込むなどで症状を起こすこともあります。
また、注射製剤にアレルゲンとなる食物が使われている場合、注射によって発症することもあります。
子どものアレルギー性鼻炎
花粉症について
アレルギー性鼻炎は、特定の季節だけに症状を起こす季節性アレルギー性鼻炎と、常に症状が出る通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。
主な症状は共通していて、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどです。
季節性アレルギー性鼻炎
最も多いスギ花粉症が有名ですが、スギ以外にもヒノキ、マツ、シラカバ、ケヤキ、ヘラオオバコ、ブタクサ、ヨモギ、ススキなどの花粉がアレルゲンとなってその花粉が飛散する時期に発症するため、春先だけでなくさまざまな季節に発症することがあります。
通年性アレルギー性鼻炎
ダニやハウスダスト、カビなど、1年中存在するアレルゲンによって発症します。ハウスダストによるアレルギー性鼻炎は部屋が密閉される冬の発症が多い傾向がありますので、花粉症と勘違いされている場合もあります。
子どものアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみをともなう湿疹がよくなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す状態です。
1歳までは2ヶ月以上、1歳以上は半年以上こうした状態が続くと慢性と判断されます。
アレルギーを起こしやすい体質や皮膚バリア機能が弱いと発症しやすく、アトピー性皮膚炎の湿疹には下記のような特徴があります。
- かゆみをともなう
- 赤みがある
- ジュクジュクしている
- 掻くと液体が出てくる
- 皮がむけてくる
- 症状が長期化すると皮膚が硬くなり、分厚くなる
- 顔や身体に左右対称に湿疹ができやすい
- おでこ、目・口・耳の周囲、首、わきの下、手足関節の内側にできやすい
アレルギーの発症には体質も大きく関与しているため、本人が過去に食物アレルギーなどを起こしたことがある場合には発症しやすいと考えられます。
また、血縁者にアトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・食物アレルギーがある場合も発症リスクが高いと言えます。
気管支喘息
気管支は気管の先で左右に分かれて肺につながっている部分です。
気管支喘息では、気管支が狭くなって空気が通りにくくなる喘息発作を繰り返し起こします。
特徴的な症状として、ゼイゼイ・ヒューヒューという音が出る喘鳴があります。また、夜中や朝方に発作を起こすことが多くなっています。
ただし喘鳴なのか風邪などのひどい咳なのかがわかりにくい場合もありますし、喘鳴は気管支喘息以外の疾患でも起こることがあります。
風邪ではない場合も喘鳴が出る、運動や興奮した際に咳き込む、本人や家族にアレルギー疾患がある、アレルゲンに触れると発症するなどを確認した上で慎重に診断します。
なお、幼いお子様の場合には、咳き込んで吐くことがある、横にしようとするとくずるといった症状を起こすだけの場合もあり、症状だけでは気管支喘息であることがわかりにくい場合があるため注意が必要です。
気管支喘息は呼吸困難を起こすこともありますので、喘鳴がある、咳が続く場合には早めに受診してください。
小児アレルギー専門外来
子どものアレルギーについて、より専門的な診察・治療が必要な場合は、アレルギーの専門医による専門外来をご予約いただけます。
月に1度の金曜日になりますので、ご予約をお取します。