専門外来 子どもの便秘外来
子どもの便秘について
意外だと思われることが多いのですが、1歳くらいの赤ちゃんでも便秘になることがあります。便秘になると快適な排便ができなくて悪化させる悪循環を起こすこともあります。大人の便秘とは症状の現れ方が違うため、下記のような症状がないかチェックしてください。
幼児の便秘チェック
- 不機嫌が続く
- 元気がない
- 食欲がない
- トイレを嫌がる
- おならが増えて匂いも強い
- 粘度の高いうんちが出る
- うんちを我慢している様子がある
- 下着を汚すことがある
- 便意を嫌がり、両足を絡ませて我慢する
子どもの便秘
便秘は長い間便が出ない状態だけでなく、出しにくい、残便感があるなど快適な排便ができない幅広い状態を含みます。食事の水分は栄養素と共に腸で吸収され、残りカスと、腸内細菌の死骸がうんちになって肛門から排出されます。腸に便が長くとどまると水分が減って硬くなり、排便しにくくなります。排便しきれずに残った便があるとさらに水分が吸収されて硬くなり、さらに排便しにくくなるという負のスパイラルを描いて悪化しやすい傾向があります。
子どもの約1割に便秘があるとされていますので、決して珍しい症状ではありません。便秘は腹痛や不快感をともなうため、うんちの回数や量、状態に注意してあげてください。
乳幼児期の便秘
便秘を起こす主な原因には、母乳やミルクの不足、過剰な汗、食事の変化などがあります。母乳に比べると人工ミルクを飲んでいるお子さんの便は固く、便の回数も少なく、便秘様になりやすいです(これはよくある事です。)。また、便秘で便が硬くなると排便時に痛みや不快感があって、便意があっても我慢してしまって悪化させやすいため注意が必要です。
学童期
主な原因は、体質と、食物繊維不足など偏った食事、朝食後にゆっくりトイレで排便する時間がない、学校でトイレに行くのに抵抗があり、習慣的に便意を我慢してしまうなどがあります。ストレスや腸・肛門の疾患によって起こっている場合もありますので、便秘の症状がある場合には早めに受診してください。
子どもの便秘を放置すると悪化する可能性があります
子どもにとって排便はしたいからするものであり、健康のために少しがんばってみるという考え方はしません。排便は便意を起きた時にすると最もスムーズに出せますが、便意を我慢することが多くなると便意を感じる直腸が広がってしまい、便意が起きにくくなる機能的便秘になって慢性化してしまいます。また、便秘になって硬い便が出ると痛みや不快感を起こすことがあり、それで排便を無意識に我慢するようになって便秘が悪化してしまうケースもよくあります。
こうした悪循環が起こった場合、早めに適切な対処を行うことで比較的楽に解消できますが、慢性化・悪化してしまった場合には改善に時間がかかりますし、それだけお子様の腸や肛門への負担が増えてしまいます。便がスムーズに出ていないかもしれないと感じたら、早めにご相談ください。
子どもの便秘の解消・治療方法
食生活を含む生活習慣の見直しが基本となります。
規則正しい生活
完璧を求めるならば、、、早めに起床して朝食をとり、トイレでしっかり過ごせる時間を作り、うんちする習慣をつけます。
早めの夕飯、早目の就寝、、、。
出来る範囲で、起きたらトイレに行く時間を作る、でも大丈夫です。
バランスのとれた食事
出来る範囲で、栄養バランスがとれた食事を心がけましょう。
海藻、野菜、雑穀、果物など水溶性食物繊維を多く含む食材も気にかけましょう。
水分補給も必要です。
しかし、コレを頑張っていても必ずしもよくなるとは、、、言えません。
トイレを我慢しない
便意を我慢することが増えると便秘を悪化させやすいため、便意を訴えたらできるだけ早くトイレに連れて行ってあげましょう。また、トイレトレーニングが原因で便秘になるケースもありますので、ゆったり構えて少しずつステップアップすることが重要です。お悩みがある場合は、お気軽にご相談ください。
薬による治療
便が溜まると、便自体が段々と硬くなり、排便時の痛みを伴う様になる事があります。すると、排便自体を嫌になってしまう事があります。その為、便を定期的に出し、排便が嫌ではなく、スッキリとする気持ちの良い事だと認識して貰う為に、薬による治療を早目に始める事があります。使用するのは、便をやわらかくする薬、大腸の働きを促進する薬、浣腸、等をよく使います。漢方薬などを使うこともあります。
目標はバナナうんち
うんちは体調を知るためのバロメーターであり、硬い便や下痢は大腸や肛門に余計な負担をかけます。子どもにとっても便秘は腹痛や不快な症状があってストレスになります。理想的なうんちは、表面がなめらかでやわらかく、強くいきまなくてもスムーズに排出できるバナナのようなうんちです。バナナうんちを目標に、生活習慣改善を続けましょう。
お通じ日記をつけましょう
あまりにもひどい時は、、、
保護者の方のメモとしてうんちの回数、状態などを記録するだけでなく、お子様の好きなキャラクターのノートにシールやスタンプなどでデコレーションすることで、お子様ご一緒に楽しみながら記録できるお通じ日記をつけるのもおすすめできます。お子様がうんちに対してポジティブな印象を持つと治療効果も上がりやすくなります。